忘れた頃に突然現れるこの手の記事、今回も需要完全無視でお届けします(笑)
まずは11月 3日に開催されました反射の達人4にご来場およびご参加、およびUstream中継をご覧いただき本当にありがとうございます。
回を増すごとに会場に来ていただける方が増加していることもあって、Ustreamは初回大会が一番視聴者数が多いのですが、それでも常時平均50名、ユニークユーザーで414名、合計765名の方が、のべ294時間11分11秒に渡ってご覧いただきました。重ねて御礼申し上げます。
で、なんでいきなり1から4に飛んだのかといいますと、実は大会をするたびに「100%は無理でもある程度満足できたら記事を書こう」とは思っていたのですが、結局毎回ものすごく反省事項がありまして… といってもそれを気にしていたらいつまでも記事が書けない、ということに気がついてしまいましたので、自分への戒めもかねて、今回の大会にAK-Rb技術部として関わらせていただいたことをつらつらとまとめております。
反射の達人4についてはk-twoさんのBlogでもまとめられているように、直接的に言ったり言われたりしたわけではないのですが、スタッフ全体で「やるからには公式に勝ちたい」という思いが非常に強く、それを達成するためには何が自分にできるかと考えながら、手を出せるところに出させていただいたのでした。
準備をするにあたっては何かと迷うことも多かったのですが、AK-Rb総監督のHIBI法王から、
11月3日にかぶらない限りやりますが、 コンポーザーがゲストでいない以外はコナミが相手だろうが、他は全部勝ちたい
— K.HIBI (@HIBI44) September 13, 2013
というツイートがあり、スタッフながら非常に勇気づけられたりしました。
自分の立ち位置としてはっきりしているのは当日の機材班で、それに関する配線とUstream中継、というところは今までと同じなのですが、今回はそれに加えまして以下のような内容も手がけています。
▼大会を実施するにあたっての配置交渉(と、オマケの現地までの道案内)
会場となった立川ゲームオスロー第5店様では頻繁にゲームの大会を開催されておられるのですが、実は大きな規模の音ゲー大会開催は初めてということもあり、参加される方だけでもこれくらいの人数なので、いくつか稼働を止めていただいて…という調整をさせていただきました。
といっても予算の関係で全部の筐体を停止できるわけではなく、また(当たり前ですが)店舗側の事情もあるため、それらを踏まえて先方のご担当者様とお話しさせていただきました。かなり融通を利かせていただきまして、本当に助かりました。
現地までの案内は「オマケ」とあるように、元々書く予定はありませんでした。というのも、どちらかと言えば前回までよりも格段にわかりやすい位置に店舗があるからなのですが、来ていただける方の中にはそもそも「立川ってどこ?」というようなご意見もそれなりにあったようなので、せっかく何回も電車で現地に行っているのだし、ということで用意させていただきました。
▼Reflec Masters Tournament(RMT)部門のスコア収集ツール作成
RMT部門に限らず、いわゆる純粋なスコア勝負の大会では、参加されている方の動きがある程度分かるほうが盛り上がるうえ、モチベーションの維持や向上につながります。反射の達人3の鉄人部門は(最終集計を除いて)eAMUSEMENTサイトから主にHIBI法王やmasakiさんが手動で集計されておられましたが、これをなるべく楽にして、省力化と更新頻度のアップができないかな、ということで作成したものです。
中身は単に自動的にeAMUSEMENTサイトを巡回して指定IDのスコアデータを収集するだけのもので、もともとAK-Rb内部で煽り合いをするために作成したツールを流用したものでした。巡回時にサーバーへ負荷をなるべく与えないよう、1ページ読み込むごとにウエイトを入れたりと、自分にしては気を遣ったツールになっています。
▼飲み会用Twitterアイコン収集ツール作成
HIBI法王とSkypeで打ち合わせをしていたときに思いつき、上記スコアツールを改変して5時間くらいで適当に作ったモノです。意外にも好評だったようです(笑)
▼カードネーム拡大/テキスト表示ツール不具合修正
今回は競技によって筐体後ろに行く必要があったり、カメラ周りの調整があったりした都合上結局使われませんでしたが、いつものようにカードネーム拡大用のツールの不具合修正も行っていました。
▼デジカメ提供
当日の撮影スタッフだったゆんさんにデジカメを提供させていただきました。
前回の反射の達人3ではDSC-HX5Vだったのですが、裏面照射CMOSでもこれくらいのサイズだと暗所が厳しいようだったので、今回はだいぶ思い切ってDSC-RX100M2に買い換えました。前回までとは店舗が違う関係で単純比較はできませんが、前よりはマシになったのではないかなと思います。
~ここから本題~
というわけで本題のUstream関連機材や配線のお話を。
反射の達人では当初から、なるべく筐体ごとに差異の出ないように構成したい、という思いがありました。大会という場所では、普段と同じ感覚でプレーしていただくことは不可能なので、せめて筐体ごとの差異が無い状態でプレーしていただきたいわけです。しかし現実には「筐体差(※)」という大きな問題が横たわっているので、たとえ筐体4台を並べただけであっても同じ状態にはならないのですが、せめて機材の構成だけでも同じ状態を作りたかったのです。
※筐体差について:
REFLECBEATはそもそもタッチパネルの認識状況が何故か筐体ごとに微妙に違うように感じられたり、limelightからcoletteにコンバージョンした筐体では、コンバージョン時に入れ替えたモニターの位置がずれてしまったことでタッチパネルとの位置ズレが発生する(しかもそれらがすべて同じズレ方をしているわけではない)など、筐体ごとに異なる感覚を受けてしまうことが多くあります。これらをまとめて「筐体差」と表現しています。
もちろん捻出できる機材費には限界があるので徐々に買いそろえてきたわけですが、反射の達人4でようやくすべての筐体を同じ構成にそろえるところまで持ってくることができました。その配線図は以下の通りです。
こうしてある程度間を開けて見てみると、初回と比べて本当に複雑になったな…と思うのですが、対象にしていた筐体が1台から4台に増えたので致し方ないところではあります。
そんな酷い図だけをポンと出して終了というのも申し訳ないので、ざっくりとですがブロックごとに説明いたします。
<上側:筐体ブロック>
図では一カ所にしか枠がありませんが、手元カメラ以外は4台すべてすべて同じ構成です。(本当は4台とも手元カメラを入れたかったのですが、スペースの都合で当日朝にヤメにしました)
映像は筐体のDVIコネクターにパッシブDVI分配機(LINDY DVI-D 2分配ケーブル)を接続し、片方は筐体のモニター、もう片方は映像ミキサーブロックへ接続されています。
映像ミキサーブロックへの出力はGefen EXT-DVI-EDIDPを経由してCypress Technology CP-259Hへ入れてHDMIの720p解像度へ変換します。CP-259Hについては前回説明同様、DVI解像度からHDMI解像度への変換に使用し、Gefen EXT-DVI-EDIDPはEDID保持器と呼ばれるモノで、筐体モニターのEDID情報(機種名や対応している解像度、リフレッシュレートの情報)を記録して、映像出力を安定化させるようにしています。要するに分配器の先に、REFLECBEAT筐体と同じモニターが接続されている、と認識させている訳です。(これが無いと、再起動した後にドライバーのロードに失敗してアプリケーションエラーで起動できなくなることがありました)
<右下:会場音声・映像ブロック>
HIBI法王とk-two先生のブロックともいえます。PowerPoint出力や、PowerPointに使用する画像をその場で作成したり(!)されていました。(※冬美サドンデスの画像は、たいてい毎回当日作成しておられます)
ここでの自分の役割はk-two先生の出力確認用モニターと分配器設置、それにサブスピーカーの設置のみで、殆どノータッチだったりします。サブスピーカーは後ろの方だと声が通りにくいだろう、ということで設置したのですが、設置に手間がかかった割に、(サブスピーカー本体が小さかったためか)あまり効果が無かったような気はします…
<左下:Ustream映像・音声ミキサーブロック>
今回は映像をすべてデジタルで処理したい、という野望がありまして、そこから、
→ HDMIってことはマトリクススイッチ使えるよね
→ 4台体制から2台体制に変更するとき、マトリクススイッチで映像を切り替えられたらいいよね
→ カメラも同じにできるといいよね
という発想をした結果、ヒドいケーブル配線になりました。それがこのブロックです。ただ当日は映像を切り替える余裕が無く、最終的にマトリクススイッチにする意味は全くありませんでした。
2台あるマトリクススイッチのうち上海問屋 DN-68673のほうは筐体からの映像を会場モニターとミキサーPCへ、マイコンソフト ROOTY HD MATRIXのほうは手元カメラをミキサーPCへ送るためのものです。
ミキサーPCには映像入力用にSK-net Monster X Liveを、音声入力用にZOOM R-16をUSBで接続しました。しかしUSBの帯域の問題なのか、映像を5入力使用すると映像が砂嵐になる問題が発生してしまい、当日は安定して利用できる4入力のみ使用していました。
ミキサーPCにはドッキングステーションでUSBポートや映像出力が増やせるHP EliteBook 8470wを使用しましたが、前述のようにこれくらいの入力量になるとノートPCではかなり厳しく、映像のみで5入力、音声も入れるなら4入力が限界のようです。
ソフトウェアは、相変わらず肝となる映像の回転と配置に、今回からメジャーバージョンアップした(にも関わらずアップグレードが無料だった)Arkaos GrandVJ 2を利用しました。DisplayPortへの音声出力は、R-16の音声出力をEliteBook 8470wの音声入力に接続して、Windowsの標準機能であるモニター再生を利用してスルー出力しています。
<中央下:Ustream配信ブロック>
DisplayPortはHDMIと非常に親和性のある規格なので、DisplayPortから(音声信号をのせたまま)HDMIに変換、それをまずHDMI分配器のマイコンソフト ROOTY HD SP4/RIIに入れ、そこから会場モニター、実況中継用モニターのGeChic On-Lap 1501/J、録画機器のAVerMedia AVT-C875、Ustream配信PCに接続したBlackmagic Design Intensity Shuttle for USB 3.0にそれぞれ出力しました。
UstreamはASUS ZENBOOK UX31AにUstream Producer PROをインストールして配信していますが、最新版の2.0.4では、PROライセンスを購入するきっかけであった「ローカルPCへの録画データ保存」機能を利用すると1時間を超えたあたりでブルースクリーンになる問題が発生することが分かってしまい、かなりしょんぼりしています。(反射の達人3ではWindows 8にしていたために発生していたのでは、と思っていましたが、Windows 7でも同様でした)
で、ここからは反省点と、次があるなら、ということで改善点を。
▽同一構成にしても同じにならなかった
これは正直全く原因が分かっていません。電源が入る機材はすべて事前に通電、および出力テストをしているのですが、それでも同一の状態にはならなかったようです。特に顕著に問題が出ていたのは一番右の台のようで、参加してくださった方にはご迷惑をおかけしました。(それでもぴったり80%が出ていたりもしたので、判定には問題は無かったようにも見受けられますが…)
推測しているのはCP-259Hのファームウェアか、それともケーブルや変換コネクタに問題がある可能性で、一度ケーブル類もきちんとチェックしないとダメかもしれません。(CP-259Hのファームウェアは4台中3台が同じバージョンな上、買い換え以外に更新する方法が無く、コレが問題と断定できているわけでも無いので、費用対効果が微妙という状況です)
▽Ustreamでの会場音声が聞き取りにくかった
実は店舗にお願いした配置図では、左側二台と右側二台の間にだけセパレーターを置くようにしており、会場モニターとの間にはセパレーターを配置しないようにしていたのですが、朝現地入りした時点でセパレーターがすでに設置されていたため、筐体からの音声を拾いにくくなってしまっていました。(これは自分がはっきり先方にお伝えしなかったのが悪かった)
セパレーターはスペースの関係でキャスターの無いタイプを指定しており、セパレーターの鉄板の上に固定用の足が降りていたため、時間の関係もあってその時点からのセパレーター移動は諦めました。
▽準備に時間がかかりすぎた
筐体の後ろを触れるのは1時間半程度しかないことから、どんなに準備ができていてもいなくてもそれで打ち止めとなるのですが、それでも毎回ギリギリなうえ、そこからPC周りを触り出し、挙げ句の果てには事前に検証しているようにつないでもうまくいかない、ということが必ず起こるので、どうしても時間がかかりすぎてしまっています。ノートPCでの限界も感じているため、デスクトップPCに入れ替えることができれば、USB接続周りのものが大幅に削減され、改善できるのではないか、と考えています。
▽会場カメラを用意できなかった
スタッフは大会中、その様子を見ることができないことが多いので、後で見る用に会場カメラを置きたい、というHIBI法王からの打診があったのですが置けませんでした。これも時間がかかりすぎたことによるもので、Ustream側の準備がある程度できた頃には、すでにかなり方が会場スペース内にいらっしゃっている状態でしたので、そこから荷物を開いてカメラを置いて電源ケーブルを伸ばして…ということができなかったのです。
そんなわけで、長々と書いてきましたまとめ記事もこれで終わりです。
もしここまで読んでくださった奇特な方がいらっしゃいましたら本当にありがとうございます。またもし次の機会がありましたら、その際はよろしくお願いいたします!
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